室内に足を踏み入れれば、奥にある簡素なベッドで横たわってるリリアンを見つけた。


痩せ細り息も浅い。


早くしなければ間に合わなくなる。


逃げ場を確保する為に壁を思い切り尻尾で叩いた。


ガラガラと音を立てて崩れていく。


ヒューと一気に風が流れ込み、ランディはリリアンが寒くないようにと器用に毛布でくるみ、自分の背に乗せた。


「リリアン…もう大丈夫だ。我はもう離れん」


一言呟くと一気に外へと飛び出した。


ランディの背には真っ白な羽が生え、一直線に森の彼方へと消えていった。