横になってた身体を起こす。
泣いてた?
その場に座り込めば目から涙が流れ落ちる。
どれぐらいここにいるんだろうか。
今は朝なの?それとも夜?
10メートルはあろうか高さの所に格子付きの小さな窓が一つ。
見上げれば微かな光が射していた。
「昼間なのね…」
ここまでは光は射さなくとも薄明るい。
周りは石の壁で囲われ、出入り口といえば鉄の重そうな扉が一つ。
そして簡素なベッドにテーブル。それだけしか家具かないせいか、私一人なせいか、とても広く感じてしまう。
耳を澄ましても外の音は聞こえない。
やせ細った手でテーブルにあるパンを手に取る。
「いつのパンかしら…」
堅くなってしまったパンでも、唯一の生きるための糧。
「食べるのには時間がかかりそうね…」
時間ならいくらでもあることに苦笑いをもらす。