ランディはひたすら螺旋階段を上っていた。
一っ飛びとも行けたが体力はあったに越したことはない。
また厄介な魔法でも使われてはリリアンを守りつつ戦うのも気を使う。
主からはあまり暴れるな、との命令以上本来の力を使うことは出来ない。
そうは言っても追っ手がある以上足場は崩しておく必要がある。
登りながらも階段は片っ端から崩していった。
思ったより時間がかかってしまったが、たどり着いた最上階には重圧な鉄の扉が待ちかまえていた。
ランディにとっては邪魔になる壁にもならない。
しかし扉隔てた向こうにリリアンがいると思えば無理は出来ない。
ランディは人など簡単に丸呑み出来そうな大きな口を開き、真っ白な息を鉄の扉に吹きかけた。
みるみる扉は凍っていきランディの蹴り一つで簡単に粉々になる。