カイールは慌てて振り返るが、時既に遅かった。
そこに居たはずの神獣ことランディは居なかった。
「くっ、くっそぉー!囲め!!北の塔からあり一匹ともだすな!さっさといけ!!!」
騎士たちは一斉に散っていきその場にはカイールとマヨ二人だけになった。
「すっ、すいません、カイール様…今すぐに…」
ヨロヨロと立ち上がり術をかけるべく北の塔に向かおうとするマヨをカイールは引き留めた。
「いや、もう必要ない。あの女は無意識のうちだろうが力が発動し始めてる。その力にお前の術では通用しない」
「ならどうすれば!!」
「そうだな…フッ、このまま行かせるしかないだろうなぁ、アハハハハハハハ」
「カイール様…」
呆然と北の塔へ向かっていくカイールの後ろ姿を見つめていた。