止める騎士の言葉もカイールの耳には届かなかった。


いったい何があった。まさか…


いや、あの女は弱っていた。いつ死を迎えてもおかしくないくらいに…


だからあり得ない!絶対にあり得ない!


突き当たりを左に曲がれば北の塔へ通じる扉がある。


急く気持ちを落ち着かせ左へ曲がろうとしたとき


ドサッ!


無惨な姿の騎士が飛んできた。


後ろに控えていた数名の部下が自分を囲い険を抜く。


グルルルルルル


獣の息遣いと唸り声。


角のから数名の騎士が後ずさりしながら現れた。


「カイール様!お逃げ下さい。これは普通の獣ではありません!神獣です!」


「しっ、神獣だと!!!!」


カイールは部下をはねのけ神獣がいる通路へと踏み込んだ。