「動かなくていい。お前の力で少しの間抜けることが出来たが時間がない」


私の力?


何のこと言ってるのかしら。私は寝てただけなのに。


そう問いかけようとしたが、声だけの男が早口に喋りだした。


「俺はそこにはいない。でも俺からは今は見えている。今の歪みでランディが入り込んだ。いいか、これから何があってもその場所から動くな。助けにいく。くそっ!時間がない!リリアン!無事で帰ってこい!!!」


帰ってこい?


まるで私を知ってる見たい…


あっ、ランディ!ランディとも言った!


助けるって…


「あの、ねぇ、助けるって…聞こえてますか?ねぇ?」


いくら問いかけても謎の声が答えてくれることはなかった。


私、幻聴でも聞いてたのかな…


そうね、だって、もう…限界だもの…


そこでプツリと意識が途切れた。