「残念なことにランディではない」
静かな落ち着いた男性の声が暗闇から聞こえてきた。
「キャッ!!!」
自分で問いかけたくせに、まさか返答があるとは思わず悲鳴を上げていた。
逃げようにも横になっていた身体は重いままで動いてくれない。
「よく、頑張ったな…」
悲しみを含んだ声に怖さは感じなかった。
それよりこの胸の暖かさは何なのかそれが気になっていた。
「あなたは誰?どこにいるの?」
目だを動かし必死に暗闇に目を凝らしても何にも見えない。
身体が動けば…
力を入れても、果たして力が入ってるのかも分からない自分の身体に苛立ちを覚えた。