と、そこへ女の子達を両腕に絡ませて、優雅に登校してきた宮内君が現れた。



「おっはよ~ん。

大翔にまりやちゃん……て。

なんで磁石センパイがここにいんの!!」



じ、磁石センパイ……?



私が疑問に思ったのと同じだったように、麻生先輩が宮内君と睨み合う。



「あ~、キミは確か……。

今年の校内イケメンランキングで3位だった光君じゃ~ん」



「余計な前置きしないでくれませんか。

てか、なんでここにいるんすか」



いつもニコニコしてる宮内君がこんなに仏頂面してるのを初めて見た。



「あ、オレ?

ヒロ君が浮気してるって噂が聞こえてきたから気になってね」



宮内君に返事をする麻生先輩は、頬杖をついて私を見てくる。



その目にドキッとして、慌てて目を逸らした。



「はぁ? 磁石……じゃなかった、麻生さん何言ってんすか。

コイツが浮気なんてするわけないでしょ」



コイツと隣にいた大翔君を親指で指差した宮内君に、麻生先輩は椅子から立ち上がる。