翌日の登校時間。
教室に入ってきた大翔君を待ち構えてたみたいに、ひとりの男子が近付いてきた。
「おい、松坂!
お前この間、他校の可愛い女の子に校門で掴まったらしいじゃん!!」
「は?」
登校するなり、いきなり訳のわからないことを言われた大翔君は、険しい表情を見せる。
私はもちろん、クラスの女子達も聞き耳を立てている。
そんな話を初めて聞いた私の心は、不安でいっぱい。
「また告白でもされたのかよ?」
突っ込んで聞いてくるクラスメイトに、大翔君は考えたあと「あー……」と声を発した。
「え~、ヒロ君てば彼女がいるのに、浮気はよくないなぁ」
いつの間に入ってきたのか、教室には見慣れない麻生先輩が宮内君の席に座って話に加わってきた。
「うっそ! 麻生先輩じゃん!」
「いや~ん。カッコイイ!」
女子達にニコニコと愛想を振りまく様は、やっぱり宮内君と似てるところがある。