それにハッとして、慌てて離れる。



「ご、ごめんなさい!

ぶつかったのに謝りもしないで」



「あー、それは全然。

ていうか、オレ的にはちょっと残念かな」



「……?」



「だって、こんな可愛い子と触れ合えるなんてそうはないからね」



キラキラと輝くような笑顔で、宮内君みたいなことを言うこの人に



これが俗に言う、王子様スマイルなんだろうかと思ってしまった。



「あれちょっと反応が薄いな。

大抵の女の子はこれで喜んでくれるんだけど、おかしいな」



私をまじまじ見て、顎に手をあてて、ふーむと考えるこの人になんて返したらいいのか困っていた。



「まりや!」



突然、背後から名前を呼ばれて咄嗟に振り返る。



「大翔君っ!」



探していた人が目の前に現れて、嬉しくなって思わず駆け寄る。