「うん。ありがと、栞」
少しだけ元気が出た私は、それでもやっぱり大翔君のグループが気になっていた。
実習が終わり、上手にできたお菓子をプレゼント用にラッピングして、友達同士で交換したり、好きな人にあげたりとみんな盛り上がっている。
私もプレーンとチョコの2種類のマドレーヌを作ったから、それを渡そうと大翔君を探す。
さっきまで教室にいたのに、どこにいっちゃったんだろう。
「米ちゃ~ん! オレにもお菓子ちょうだい♪」
たくさんの女の子からお菓子をもらって、ホクホク顔の宮内君がおねだりしにきた。
「ヒカりんにあげるお菓子はありません。
これは全部あたしのだから」
「えー! なんで!? ひどくない!?」
ショックを受けている宮内君に、大翔君がどこにいるか知ってるんじゃないかと思い、尋ねてみることに。
「ねぇ、宮内君。大翔君は?」
「大翔? えーっと、そういえばさっき数人の女の子に掴まってたけど」
チクッと胸が痛む。
女の子に掴まってたって、お菓子もらってるのかな……。
それとも、また告白……?