2人で並んでキッチンに立ち、今日のことを振り返りながら料理をする。



「まりやもかなり上手くなったよな」



最初は危なっかしい手つきで包丁を握り食材を切っていたまりやも、今では一定のリズムで包丁を扱えるようになった。



「そうかな? きっと大翔君のおかげだよ」



謙遜するまりやだけど、俺は努力してるのちゃんと見てるから。



ネットで検索したレシピを元に、頑張って自分なりのアレンジを加えて料理してるってこと。



そんな日々の努力の甲斐あって、美味そうな夕飯ができた。



後片付けを済ませて風呂から上がると、ベッドの上に放置していたスマホに不在着信を知らせるLEDランプが点滅していた。



見ると、光からの不在着信が1時間のあいだに4回もある。



それを見ただけで、本人が目の前にいるわけじゃないのに、目を細めて絶対に面倒ごとだろうと思ってしまう。



昼間の女と言い合う場面を見てるだけに、それ以外思いつかない。