「間違えたのはまりやらしいけど、でもこれはこれでいいんじゃないの」



「い、いいの……?

だってこれじゃ、大翔君へのプレゼントにならないんじゃ……」



「そんなの気にしなくていい。

いきなりのサプライズではあったけど、これはこれでいいんじゃない?」



もう片方のシルバーのストラップを顔の横で掲げでみせた大翔君に、自然と笑顔が零れる。



私が間違えて買っちゃったのに、それでも喜んでくれるなんて。



「ありがとう、大翔君」



手のひらに乗ったペアのストラップの片割れ。



それを見ると、嬉しさに口元がついつい緩む。



そんな私の反応を見て、大翔君は



「初めてのお揃いものだな」



大翔君の手にあったもう一つのシルバーストラップがゆっくりと降りてきて、私の手の中にあるピンクゴールドのストラップに



ちょんと、キスをするように少しだけ重なった。