「ははっ。朝から可愛い反応してくれちゃって。
冗談だよ。お前の反応が面白いから、つい……な」
ポンポンと私の頭を軽く撫でるように叩いた大翔君は、ワイシャツのボタンをしっかりと留める。
そこで手を止めて、また私を見た大翔君はソファに座ると、私を手招きする。
「まりや、おいで」
両手を広げて、私に微笑む大翔君に嫌なんて、言えるわけない。
ソロソロと近付いていくと、手を掴まれてグイッと引っ張られる。
そのままの勢いで大翔君の膝の上に向かい合わせで座ってしまった私は、またひとり大慌て。
早く退かなきゃと、内心焦ってる私の心を知らない大翔君は、首を小さく傾げて私にお願いしてきた。
「ネクタイ結んで」
「……へ?」
思いもしなかったお願いに、間抜けな声しか返せなかった。