それを見て、俺に向き直ってくれた。
「もう1回、俺を誘ってくれない?
笑わないし、ちゃんと返事するから」
俺の顔をしばらくの間ずっと見ていたまりやは、小さく首を縦に振る。
自分への気合いの入れ方なんだろう。
深く深呼吸を繰り返して、また俺に真っ直ぐ目線を合わせてきた。
「来週の土曜日、私とお出かけしてくれますか?」
「それは、俺をデートに誘ってくれてるってこと?」
コクンと頷くまりやに、改めて嬉しさが込み上げてくる。
さっきも嬉しかったけど、今はさっきよりもその気持ちが増してる。
「いいよ。お前の行きたいところ、どこでも付き合うから」
「本当?」
「ああ。ちゃんとしたデートって初めてだしな。
俺もお前が寝てる間、同じこと考えてたから」
そう伝える俺に、嬉しさを抑えきれないまりやは、子供みたいに無邪気な笑顔で笑った。