「まりや……、起きてたのか」



いつも大翔君より遅く起きる私が、今日は彼より先に起きてることに驚いていた。



はぁーっと大きく長い息を安心したように、お腹の底から大翔君が吐き出した。



「お、おはよう」



「ん。はよ……」



近付いてきたかと思ったら、音も立てずにそっと唇が触れ合う。



ほんの一瞬の出来事で、気付いた時には、至近距離で見つめる大翔君の瞳が私を映していた。



目のやり場に困って、黒目をあちこちに動かすと、さらに目のやり場に困ることができてしまった。



急いで起きてきた大翔君のワイシャツがはだけてて、そこから覗く綺麗な肌。



つい見入っちゃいそうになるのを堪えて、フイッと視線を逸らす。



「ひ、大翔君。シャツ……ちゃんとボタン留めて?」



見ないように逸らしたままの目を閉じると、耳だけが敏感に音に反応する。



「あー……急いでたからか……。
朝からはだけたシャツに目がいくなんて、まりやのエッチ」



「……っ!? ち、ちが……!!」



真っ赤になって否定するけど、見てる時点で違うと言えない自分が恥ずかしい。