「よし、できた」



朝食を作り終えると、もうすぐ6時になるところだった。



私が大翔君の目覚ましのアラームをセットした時間は6時。



だから、そろそろ起きてくるはずなんだけど。



出来上がった朝食をテーブルに運んでいると、



2階から1階へと階段を物すごいスピードで駆け下りてくる音が聞こえた。



――ガチャ!!



「やば……。寝坊した……」



そのままの勢いでリビングのドアを開けたのは、



寝起きのまま急いでたっていうのがよくわかるセットされてないサラサラの髪。



ボタンが上から3つだけ留まらないまま、はだけたワイシャツ。



首にかかったまま、結ばれるのを待ってるネクタイ。



いつもきっちりと制服を着てる大翔君のこんな姿を見るのは初めてで、私の方がその姿に驚いて静止してしまった。