「3度も振られるなんて、貴重な体験だ……!
まりやちゃん以外やっぱり考えられない」
断ったはずなのに、何故か余計にやる気を出させたみたいで、どうしようかと困っていると
「麻生先輩、まりやは俺のだって言ったの忘れたんですか?」
「え? いや、覚えてるけど」
「その意味わかってないなら、教えてあげましょうか」
妖しく微笑んだ大翔君は、私を抱き寄せると耳元で囁いてチュッとキスを落としてきた。
囁かれた言葉に全身に火がついたみたいに熱くなり、麻生先輩の前でキスされたことにも恥ずかしくて顔をあげられない。
「え!? ちょっと! まりやちゃんに何すんの!?
てか、何したの!!」
「教えないです。まりやにしか言えないことなんで」
ベッと舌を出して子供みたいに笑った大翔君。
今言ってくれたこと、私は単純だから本気にしちゃうよ?
「大翔君、大好き……っ」
大翔君にしか聞こえない声で告げると、驚いていたけどすぐに微笑んでくれる。
「俺も好きだよ」
大翔君がくれる言葉はいつだって私を元気にしてくれる。
この先何があっても、この人となら乗り越えていける。
そう思わせてくれる大好きな人。
『まりや、いつか俺のお嫁さんになって』
そう遠くない未来。
私は、大翔君の隣で笑っているよ。
☆ E N D ★