振り返ると、篠原さんの一件以来まったく姿を見せなかった麻生先輩がいた。
な、なんでこんなところに?
「会いたかったよ! まりやちゃん!!」
感極まって私に向かって両手を広げてくる麻生先輩。
動けずにいると、私に抱き着く寸前で大翔君が私を守ってくれた。
「やぁ、ヒロ君。久しぶりに会うけど、カッコ良さが増してる気がするのは気のせいかな?」
「さぁ。それはどうか知りませんけど、なんで先輩がここにいるんですか」
「最近忙しくてさ。付き合ってた女の子達に別れを告げるのに」
「は!?」
「え!?」
同時に驚いた私達に、麻生先輩はきょとんとしている。
「そんなに驚くことじゃないでしょ〜」