「おはよ、まりや」
「お、おはよう」
やっぱりまだ慣れない。
同居生活が終わってから大翔君は、私の夢だったお迎えと登下校を一緒にしてくれるようになった。
こうして毎朝迎えにきてくれるんだけど、こんなに制服姿がかっこよかったかな。とか
なんか一緒に住んでた時より新鮮で、付き合いたての頃に戻ったみたいに毎日大翔君にドキドキしてる。
私だけなのかもしれないけど、毎日大翔君に恋してるみたいで、困っちゃうくらい。
「行くか」
自然に手を握ってくれる。
それに笑顔で頷くと、手を握り返す。
「今日も宮内君は栞にベッタリなのかな?」
「さぁ? あいつも意外にしつこいっていうか。
粘りが強いよなぁ」
「うん、でも宮内君には頑張ってほしいな」
栞と宮内君が付き合うのを密かに楽しみにしていると、
「まりやちゃ〜ん!」
と久しぶりに私の名前をこうして呼ぶ人が現れる。