元通りの日常が戻ってきて数日。
「まーちゃん、お弁当は持った?」
「うん! 大丈夫」
あれから、私は早起きして学校がある日は自分でお弁当を作るようになった。
大翔君に教えてもらったことを思い出しながら、料理を作ることも増えて。
お母さん達がいた頃は何もできなかった私が、大翔君のお陰で家事ができるようになり、お母さんとお父さんはびっくりしていた。
それと、大翔君と付き合ってることを何となく言いだしづらくて言ってなかった私だけど、大翔君がちゃんとしたいからってお母さん達に挨拶してくれた。
もちろんお母さんは大喜びで、お父さんなんか「まりやがお嫁に……」なんて放心状態になっちゃって大変だった。
でも、ちゃんと祝福してくれてすごく嬉しかった。
——ピーンポーン。
「あ、ヒロ君じゃない?」
「うん、行ってきます」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」
お母さんに見送られて、慌てて玄関で靴を履く。
出る前にちゃんと姿見で全身をチェックして。
玄関のドアを開いた。