「じゃあ、大翔君本当に長い間娘のことを守ってくれてありがとう」
まりやの父さんに礼を言われ、俺は首を横に振る。
「いえ。お役にたてたかわかりませんけど、まりやと過ごした時間は楽しかったです」
「家はお隣なんだから、またいつでも遊びにきてね」
まりやの母さんにも笑顔で見送られ、母さんと2人で久しぶりの我が家へ。
「大翔君っ!」
家に入ろうとしたところでまりやに呼び止められ、振り返る。
「明日……また明日ね」
それだけ言うと、そそくさと家に戻っていってしまった。
「ふ〜ん。そういうことねぇ」
まりやの後ろ姿をいつまでも見ていた俺に母さんが言う。
「なんだよ……」
「べっつに〜。いいわね、若いって」
からかいながら家に入った母さんを見てから、空を見上げる。
そこには、澄んだ空に星が輝いていた。