「起きないと、もっとするけど……いい?」
「ん……」
また耳元に囁いた俺に、少し反応が返ってきた。
モゾモゾと動きながら、横を向いて眠っていたまりやが仰向けになった。
そして、うっすらと眠そうに目を開く。
「起きた……?」
「う~ん……っ。ひろ……くん……っ?」
寝起きでも、変わらない可愛い声で俺を呼ぶ。
「まりや、おはよ」
チュッと頬にキスを落とすと、半分閉じかけていた瞼が一気に開いた。
「ひゃあ……っ!?」
何が起きたのかわからない、そんな顔で俺を見つめて、大きな瞳を瞬かせる。
「ひ、大翔君……。なんで……?」
起き上がったまりやは、俺が部屋にいることを理解できずにいた。