翌日。



まりやの両親から夕方に帰ってくると連絡があった。



俺は荷物をまとめて、長いような短いような間暮らした部屋を出る。



もうすぐまりやの両親が帰ってくる。



俺が2階から下りてくると、まりやは寂しそうな目で俺を見る。



そんなまりやの額をコツンと軽く叩く。



「こーら。そんな寂しそうな顔すんな。

さらってほしいって言ってるように見える」



俺が冗談で言うと、まりやはすぐに赤くなって否定する。



「大翔君の家に遊びに行くね」



「ぷっ。なんだよ、それ。

まぁでも、いつでも来いよ。たまには2人きりになりたいしな」



また赤くなるまりやに笑っていると、ガチャガチャと玄関の鍵を開ける音が聞こえた。



「まーちゃん! ただいまー!!」



「大翔〜!! 愛しのお母様が帰ってきたわよ!」