その日は、お互い離れがたくて客間に布団を2つ敷き、隣同士で眠った。



次の日も、同居生活最後で無理に笑顔を作るまりやに心が痛んだ。



明日になれば、俺は家に戻る。



まりやと過ごした約4ヶ月を思い出し、溜め息がもれた。



俺がこんな落ち込んだらまりやにも伝わるってわかってるのに、どうしても考えずにはいられない。



そして、まりやと過ごす最後の夜。



前日と同じように客間に横になった俺とまりやは、自然と手を握り合っていた。



「なんか小さい頃のこと思い出すね」



「そうだな。お前暗いところが怖くて、俺が泊まりにくるとよく一緒に寝てたな」



子供の頃のことを思い出して、お互い笑い合う。



そして、度々2人の会話で間ができる。



聞かなくても、まりやが俺と同じことを考えているとわかっているから、余計に辛くなる。



「大翔君、今日はずっと手を握っててくれる?」



まりやからのお願いに握る手の力を強くする。



「当たり前だろ。お前が怖くないように、ずっと離さないから」