まりやの母さんから電話がかかってきたらしく、楽しく声を弾ませて話していた。



それに元気そうだなということがわかり、ふとこの生活もあと少しなんだということを思い出す。



いろいろありすぎて忘れてたけど、もうすぐ終わりを迎える。



大事なことを思い出した俺と同時に、まりやの楽しそうにしていた会話が途切れた。



様子を見るためにキッチンからダイニングへと移動すると、まりやはスマホを持ったまま上の空だった。



「まりや……?」



呼びかけにハッとして、俺を寂しそうに見る。



それに訳がわからない俺は、心配になりまりやが手に握ったままの電話を代わる。



「もしもし。大翔です。お久しぶりです」



『あ、ヒロ君!? 久しぶりね。

まーちゃんのことをお願いしっぱなしで連絡もできずにごめんなさいね』



「いえ。それは大丈夫です。

それより、どうかしたんですか?」



そう聞き返した俺に、まりやの母さんは告げる。



その事実に一瞬頭が真っ白になったけど、すぐに我に返り二言三言話をして電話を切った。