ゆっくりとベッドの方まで近付いていくと、顔半分まですっぽりと布団を被って寝ているまりやがいた。



ひとりで寝るのに丁度いいサイズのベッドで寝てるのに、丸まって寝てるまりやに笑いを堪える。



小動物みたいだな……。



そんなことを頭に浮かべながら、そっと手を伸ばして布団を少しずらすと、隠れていたまりやの寝顔が見られた。



ベッド脇に座った俺は、頬杖をついて、白くてキメが細かい柔らかなまりやの頬に手を滑らせる。



吸い付くような肌の感触に、もっと触れていたいという感情が俺の中に生まれる。



まりやの寝顔なんて、同居してから何度も見てるのにな。



スヤスヤ眠るまりやのサラサラした髪を耳にかけてやると、覗きこむようにベッドに体重をかけて、両手をつく。



露わになった片耳に唇を寄せると、小さく声を吹き込む。



「まりや、起きて」



すぐに反応をうかがってみるけど、耳に息がかかったのがくすぐったかったのか、ふんわりと笑った気がした。



可愛い奴……。



これで起きてくれたら止めてやろうと思ったけど、そのまま熟睡するまりやにまた悪戯したくなる。