「ただいま」



「お帰りなさい」



今日は私が夕飯当番なのに、大翔君がすき焼きにしようと言ってくれて、学校帰りに買い物までしてきてくれた。



「ごめんね。私が当番なのに」



シュンとして謝る私に大翔君は頭を撫でてくれる。



「俺が食べたいと思ったから。

それに今日は嬉しいことあったんだしな?」



大翔君の言葉にぱぁっと表情を明るくさせて、大きく頷く。



宮内君が栞のことを好きだと言い出した時はびっくりだったけど、私はすごくお似合いの2人だと思う。



栞は今のところは嫌だと言ってるけど、2人はいいコンビだし、何だかんだ言っても上手くいきそうな気がする。



鼻歌を歌いながら夕飯の支度をしていると、エプロンのポケットに入れていたスマホが着信を知らせる。



「あ、お母さんからだ」



「あとは俺がやっとくから、出ていいよ」



大翔君にお願いして、スマホを耳にあてて電話に出る。