学校が休みのある日のこと。
いつも朝が弱くて、なかなか起きられない俺が珍しくスッキリと目を覚ました。
ベッド脇に置いてある置き時計は、午前9時30分を指している。
休みの日は大体、俺より先に起きるまりやが起こしにくるんだけど、今日はそれがなかった。
少しボーッとしながらも起き上がると、ベッドから降りて部屋を出る。
廊下に出ると、シン……っと静まり返る家の中が妙に気になり、隣のまりやの部屋へ自然と目が向く。
――コンコン。
部屋の前に立ち、ドアをノックしてみる。
予想通り、反応は返ってこない。
俺と同居し始めてからは、遅くても8時半までにはいつも起きてたまりや。
朝寝坊なんて珍しいと思いながら、ドアノブに手をかける。
「……まりや? 入るぞ」
なるべく音をたてないように声をかけてドアを開くと、ベッドの方に丸い膨らみがあるのを見つけた。
それに思わず、ふっと笑みが零れる。