そんなある日、女の子にデートをすっぽかされたオレは、帰るために階段を下りて廊下を歩いていた。



とそこへ、俯きながら前も見ずに歩いてきた女の子がオレとぶつかって転びそうになった。



それを阻止してあげると、彼女はオレに謝り顔をあげたんだ。



それがまりやちゃんだった。



写真は見せてもらったことあるけど、真正面からしかもこんな近くで見るなんて初めてだったから、彼女を見て素直に可愛いと思った。



柔らかなふんわりとした雰囲気を持つまりやちゃんを目の前に、この子が噂のヒロ君の彼女かと見入ってしまう。



最初は本当にどんな子か知りたくて、ちょっかいかけてみようってその程度だったんだ。



毎日毎日まりやちゃんに会いに行くたびに、ヒロ君が敵対心剥き出しでオレに向かってきて。



クールって聞いてただけに、結構熱いヤツじゃんってなんだか楽しくて。



2人を見てると、本当にお互いが好きなんだとオレにもわかるほど、ラブラブオーラがダダ漏れだったんだよね。



でも、それを見ながらもこんなに想い合える相手に出会えるのかと、オレの中には今までなかった感情が生まれた。