「頭痛くない?」
「ん? 全然。むしろ、気持ちいい。
まりやは柔らかくて、いい匂いするし」
髪の毛で遊んでいたと思ったら、私のお腹の方に顔を向けて目を閉じる。
普通に答えてくれたけど、私はドキドキしすぎて声が詰まってしまった。
「少しだけ寝るから、10分経ったら起こして」
寝言みたいに呟いたかと思ったら、1分も経たないうちに眠りに就いてしまった。
綺麗な寝顔は、何度見ても飽きなくて、私より大きい大翔君が無防備に寝てる姿は、
こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、やっぱり可愛いって思う。
起こさないようにサラサラの髪を撫でて、こうしていられる時間が幸せだと感じながら、そっと囁いてみる。
「いつもありがとう……。
また、お世話になります。
大翔君、大好きだよ」
眠ってる彼にだけ聞こえる声で、普段は恥ずかしくてなかなか言えない感情を口にしてみる。
それでも、やっぱり恥ずかしくて、自分で言ってみて照れてしまったことは、
眠ってる大翔君には、秘密のお話。