篠原の友達から聞かされる話にイライラが募る。



何だそれ。



光を振った理由と同じじゃねーか。



男を顔で選ぶ? 見た目がよければいいっていうのか?



ふざけんじゃねーぞ。



そんな奴に利用されるなんて、物凄く気分が悪い。



「大体さぁ、別れたばっかのあんたが『今まででいちばんカッコイイ彼氏ができた』って言ってきた時も半信半疑だったんだよね。

だって、うちらの学校のカッコイイ奴って、ほとんどあんたと付き合った奴ばっかだったし」



黙って篠原の友達の話を聞いていた光も、軽蔑の眼差しで篠原を見る。



「そうよ。カッコイイ彼氏ができたなんて全部嘘よ。
ちょっと自慢したつもりだったのに、紹介してって言われて内心焦ってた。

そんな時、光君のこと思い出したの。光君ならカッコイイし。
でも、全然相手にしてもらえなくて……」



「友達にカッコイイ彼氏ができたって自慢したかった?
そんな理由でオレや大翔に近付いたってこと?

ちょっとは変わったかと思ったけど、やっぱり純礼は何も変わってなかったね。
お前……最低だよ」



光に決定的な言葉を言われ、俯いていた篠原が早口で逆ギレしだした。



「彼氏を外見で選んで何が悪いのよ……。
可愛い私に釣り合うって言ったら、外見がよくなきゃダメに決まってるでしょ!?

湯沢にも今までの元カレ達にも言われたわよ!
『中身がないつまんない奴だ』って。

だって、可愛くなきゃ誰も見てくれないじゃない!
男の人だって可愛い彼女なら自慢になるでしょ! それと同じよ、どこが悪いの!?」