「あんた、うちらに嘘ついたってこと?」
「超イケメンの彼氏ができたってすっげー自慢してきて、あたしらが紹介してよって言ってもあんた適当な理由つけていつも断ってたよね」
「ち、違う。本当にカッコイイ彼氏がいて……」
友達2人に同時に説明を求められて、焦り始めた篠原にここいる全員が不信感を抱く。
「どこにそのカッコイイ彼氏がいるの? いるなら早くここに呼んでよ。今すぐに!」
気が強そうな奴に肩を押されて、後ろに2、3歩よろける篠原。
もう苦しい言い訳したって通じないことくらいわかってるのに、それでも何も言おうとしない篠原に光が近付く。
「オレ……言ったよね。
大翔とまりやちゃんを傷付けたら許さないって。
なんで、なんでこんなことするんだよ!
なんでそんな平気で嘘つけんの!?
こんな嫌がらせされるほど、オレがお前に何かした?」
俺でもあんな悲しそうにしてる光は初めて見る。
例え嫌な思い出でも、どんな最低な奴だったとしても、篠原は光にとっては初めて付き合った彼女だから。
それでも何も言わない篠原に、友達がまた喋り始めた。
「何かさー、最初からおかしいと思ってたんだよね。
外見ばっかで男選びしてたあんたにこんなイケメンの彼氏がきるなんて」
「そうそう。あんたの元カレ湯沢だっけ? あいつもうんざりしてたじゃん。
『カッコイイ奴なら誰でもいいんだよ。
純礼は、外見で男を選んで飽きたらすぐ別れる最低な奴だ』って」