「なんだよ〜。このイケメンも違うの?」
「純礼どういうこと? 本当にあんたの彼氏自慢できるほどの奴なの?」
さっきまでは騒いでた彼女達も篠原さんに疑いの目を向けるようになり、怪しんでいる。
私も篠原さんに彼氏がいるなんて初めて知って、戸惑っていた。
付き合ってる人がいるのに宮内君に会いに来たり、大翔君を好きだって言ったりして、一体どうなってるの?
そんな大切な人がいて、他の人に気がある態度とるなんて……。
信じられない思いで篠原さんのことを見ていたら、急にドンッ!と体に衝撃が走って、一瞬何が起こったのかわからなかった。
「……っ!」
「まり……!」
大翔君が私の名前を呼ぶ声が聞こえた気がしたけど、次に私の耳に聞こえてきた声に耳を疑った。
「ごめんごめん。彼ってば恥ずかしがり屋でね、なかなか会ってくれなくて困ってたの。
この人が私の彼氏のヒロト君」
恐る恐るそちらへ目を向けると、さっきまで手を繋いでくれていた大翔君の腕には、篠原さんが自分の腕を絡ませ体を密着させていて、私が体に受けた衝撃は彼女が私の体を押したからなのだと、その光景を見てすぐにわかった。
信じられなかった。
大翔君を自分の彼氏として友達に紹介していること。
大翔君の隣……あの場所を他の子が一瞬でも独占していることに。
「あんた……何言ってんの?」
大翔君も突然のことで反応が遅れてしまい、篠原さんを信じられない目で見ていた。