大翔君達3人を見回して、黙ってる篠原さんの返事を待つ。



「純礼……彼氏ってどういうこと?」



何も言わない篠原さんに宮内君が戸惑いながら、気になっていることを尋ねる。



篠原さんのお友達がさっきから言ってるイケメン彼氏って誰のことなのか私も気になっていた。



「純礼って呼んだってことは、その人が彼氏!?」



一気にテンションがあがった彼女達は、指差ししながら宮内君に期待の目を向けている。



「い、いや……オレは……」



どう答えていいのか困ってる宮内君に、彼女達の質問が次々に飛ぶ。



篠原さんが何を考えてるのかわからない私は不安で、無意識に大翔君の手をぎゅっと握りしめる。



こんな時でも大翔君は私の気持ちがわかってるみたいで、ちゃんと優しく握り返してくれた。



「彼は違うよ。彼女の元カレだから」



篠原さんの代わりに答えたのは、麻生先輩。



「え〜。この人じゃないんだ。てか、純礼の元カレ知ってるってことは、もしかしてこっちのイケメンが彼氏!?」



宮内君に群がっていた彼女達は、麻生先輩の方へ。



「そんなわけないじゃん。この人は、うちの学校でも遊び人で有名な先輩だっての」



「栞ちゃん、いくらなんでもその紹介の仕方はないと思うんだけど……」



今度は栞が答え、麻生先輩は自分の自己紹介が遊び人というのが気に入らなかったらしく、ひとり落ち込んでいる。