「あっれ〜。純礼じゃん! こんなとこで何してんの〜?」



篠原さんの後ろから彼女を呼ぶ声がして、みんなの視線が一気にそっちに向く。



「ふ、2人とも……どうして、ここに……?」



あきらかにさっきまでの態度とは違って、焦ってる様子の篠原さんを私だけじゃなく、みんな怪しんでいた。



篠原さんに声をかけたのは、ギャル風の2人組。



髪は茶髪でメイクも高校生にしては濃いし、つけまつげもしてるちょっと派手めな子達。



「なんでって近くまで来たからさぁ、あんたの自慢のイケメン彼氏を拝見しようと思ってきたんだよね〜」



「てか、何このイケメン揃い! 3人ともめっちゃレベル高くね!?」



女の子の扱いには慣れてる麻生先輩はにこやかに手を振る。



宮内君も嫌な顔はせず、優しく挨拶を返していた。



大翔君だけは、元々愛想がいい方じゃないから何も言わずその光景を見ているだけだった。



「マジでこの人達と知り合いなの? 純礼が言ってたこと嘘じゃなかったんだ」



「そ、そうなの! でも、ほら今日は予定あるんでしょ?

だから、また都合いい時にちゃんと紹介するから」



「はぁ? せっかくこっちまで来たのに、あんたの自慢のイケメン彼氏見ずに帰れって言うの?」



「そうだよ。純礼が自慢しまくるからどんなヤツか気になんじゃん! この人達の仲にいるんでしょ?」