「え〜、なぁに? 光君てば今さら私のことが好きとか?
私がヒロト君のこと好きだって言ったから焦ってるの?」
小馬鹿にしたような物言いに、そんなふうに言うことないのにと篠原さんを見つめていた。
「あのさぁ、さっきから聞いてればマジで何なの、あんた。
自意識過剰なんじゃない? 自分が誰にでも好かれてるとか思い込んでんのそっちでしょ!」
宮内君に加勢するように栞も私達の前に立って、篠原さんを睨みつける。
「何よ。私が可愛いからって僻み言わないでくれない?」
栞までバカにする彼女の言い方に、私も小さな怒りを覚える。
私達のことを思ってしてくれてる2人にそんな言い方するなんて許せない。
「ねぇ、彼女さんもそう思うでしょ?
あなたは確かに可愛いけど、ヒロト君に似合うのは私だと思うの」
宮内君と栞を上手く交わして、私のところにきた篠原さんは、私にだけ聞こえる小声でそんなことを言った。
確かに篠原さんは可愛い人だと思うけど、大翔君に似合う人とかそんなこと関係ない。
大翔君を好きな気持ちだけは、誰にも負けないって胸を張れるから。
唇を引き結んで耐えていた私は、篠原さんに言い返そうと顔をあげた。