「まりやちゃん、本当に純礼のことごめんね」



栞と麻生先輩がコントのような会話をしている横で、それを楽しく見ていた私に宮内君がこっそりと謝って来た。



「どうして宮内君が謝るの?」



「だって、あいつはオレの元カノだし、まりやちゃんを不安がらせるようなことしたし。

だから……」



また謝ろうとした宮内君に笑い返す。



「宮内君のせいじゃないよ。

確かに大翔君に告白したって聞いた時はショックだったけど、でもそれは宮内君のせいじゃない。

それに直接的に何かをされたわけじゃないし。だからもう謝らないで?」



「まりやちゃん……。まりやちゃんも大翔も優しすぎだよ。

オレはもっと責められてもいいはずなのに」



宮内君が悪いなんて誰も言わない。



宮内君だって、篠原さんに傷付けられたひとり。



心に傷を負って、前に進もうともがいてる。



自分のことより私達のこと心配してくれて、宮内君は本当にいい人だよ。



だから、彼にも幸せな日がいつかきたらいいなと願う。