あれからひと言も話さず泣いてるまりやの手を引いて、家に帰ってきた。
ひとまず落ち着かせるために、ミルクたっぷりのミルクティーをまりやのために淹れて手渡す。
「あ、ありがと……」
受け取るとしばらくミルクティーを見つめていた。
そんなまりやの隣に腰を下ろして、左手でまりやの頭を抱き寄せる。
「ごめん。俺がちゃんと言わなかったから、お前をまた不安にさせることになって。
まりやは、昨日俺が篠原に告白されたってことクラスの奴から聞いたんだろ?」
その話を知ってるはずのない俺が知ってることにまりやは驚いていたけど、その後ためらいながらもコクンと頷いた。
「俺がお前に言わなかったのは、光とのことも解決してない状態で篠原に告白されたなんて言ったら、お前が余計に混乱するって思ったし、何よりお前を不安にさせたくなかった。
ちゃんと解決してから話すつもりだったんだ。
でも、それが逆にまりやを不安にさせてたなんて気付かなくて、結局俺は何やってんだろうって思ったよ」
米倉が教えてくれなかったら、俺はまりやを傷付けることになってたかもしれない。
ちゃんとこれからは伝えるって自分で言ったのに、本当情けない。
「大翔君は、ちゃんと話そうと思っててくれたの?」
ようやく俺に応えてくれたまりやは、少しだけ頭をあげて俺を見る。
「当たり前だろ。お前に隠し事なんてしない。
でも、俺が黙ってたことは隠し事になるよな……。本当にごめんな」
「ううん。私こそ勝手にひとりで不安になって、変な態度取ってごめんなさい。
いつもは話してくれる大翔君が今回は話してくれなかったのが、すごくショックだったの。
大翔君はいつだって私のことを考えてくれてるのに、それがわからなくて。
他の子の口から篠原さんのこと聞いて、どうして私に言ってくれなかったんだろうって」