でも、他校の子って……。
大翔君の人気が他校にまで知れ渡っているなんて、複雑な気持ちになる。
「他校って、もしかして最近よく来てる子のこと?」
一緒に話を聞いていた栞は、すぐ誰かわかったみたいで眉根を寄せて2人に聞き返す。
「そう! 宮内君に会いに来てた子だよ」
「今までは宮内君に会いにきてたから、てっきり彼のことが好きなんだと思ってたんだけど……。
昨日帰りに偶然聞いちゃって」
彼女達の話で私でもその子が誰かがわかってしまった。
篠原さん。
「その子が松っちゃんに告ってたって本当なの?」
「嘘じゃないよ。大翔君のことが好きだって、ハッキリ言ってるの聞こえたもん」
うそ……。なんで篠原さんが大翔君のこと……。
篠原さんは宮内君のことを好きだと思い込んでいた私は、突然聞かされた予想もしない話にショックを隠し切れない。
「だから、藤沢さんのこと心配になって」
聞くと、2人はその現場を目撃して私が不安になってないか心配になって、教えにきてくれたと言っていた。
そんな話……知らない。