「何? あんた達。まりやに何か用なの?

まさか、今さらまりやと松っちゃんが付き合ってることに文句でもあるの?」



栞の威圧的な物言いに2人は違う違うと慌てて否定する。



「そうじゃなくて、藤沢さんは……あのこと知ってるのかと思って」



あのこと……?



何のことだかさっぱりな私の態度に、2人は戸惑っている。



「ほら、やっぱり知らなそうだし、言わない方がいいよ」



「でも、もしかしたら知ってるかもしれないじゃん。

気になるし聞いてみようよ」



2人で押し問答を始めて、私もその内容が気になってくる。



ハッキリしない2人の態度に栞が



「言いたいことあるならハッキリ言いなよ」



とさっきとは違う少し穏やかな声で話やすい雰囲気を作ってくれた。



そんな私達を交互に見てから声を小さくして話し始める。



「実は昨日の帰りにね、松坂君があの他校の子に告白されてるところを見ちゃって」



大翔君が告白されたなんて話は、今までもにも何度もある。



その度に胸が苦しくなって、いつまでたっても慣れることができない。