「へぇ。あんなに毎日通ってたのに?」
麻生先輩も驚いた顔をして、会話に加わってきた。
「そうなんですよねぇ。
ストーカーみたいに会いに来てたのがここ2週間くらいパタッとなくなって」
だからこんなに朝から元気だったわけか。
それにしても、麻生先輩が言ったとおり、あんなに会いに来てた奴が急に来なくなるなんて。
あの篠原の様子から早々諦めるようには見えなかった。
何を考えてるのかわかんない奴だったけど、本当に諦めたのか……。
「他に好きな人でもできたのかなぁ。
あの子、かなりの面食いみたいだよねぇ?」
麻生先輩は何故か光じゃなく、俺に向かって問いかけてるように見える。
何が言いたいんだよ。
「そうなんすよ!
あいつかなりイケメン好きで、中学時代も顔のいい奴ばっかと付き合ってて」
「それって、宮内君が自分で顔がいいって言ってるように聞こえるよ」
「まぁ、自分で言うのも何ですけど顔も性格もいいんで」
あはは、と悪びれもなく麻生先輩に言う光に心の中で
「少しは謙遜しろよ……」と静かに突っ込む。