「篠原さんだっけ? あんたこそこんなとこで何してんの?
ヒカりんにまた会いにきたわけ?」
「し、栞……そんな言い方……」
自分と合わない相手にはついつい強い口調で話してしまう栞。
私がフォローしようとすると篠原さんが意外な言葉を発した。
「今日は光君に用事じゃないの」
「え?」
何故か私を見て笑う篠原さんに、嫌な予感がした。
どうしてそんな予感を感じたのはわからないけど。
「じゃあ、なんでうちの学校に?」
「あなた、確か光君のお友達の彼女だったよね?」
栞の質問には答えず、篠原さんは私に聞いてくる。
「そう、ですけど」
大翔君の彼女は自分なのに、それを再認識するみたいに頷くとちょっと恥ずかしくなった。
「彼はなんて名前なの?」