近付いていくと、やっぱり人だかりの中心にいるのは宮内君の元彼女さんの篠原さんだった。
今日も宮内君に会いに来たのかな。
何度も校門の外から歩いてくる生徒達を確認しながら誰かを探してる篠原さん。
その時、離れたところにいた私と目が自然と合う。
そして知り合いのように私に手を振ってきた。
「何あの女……。
まりやに手振ってるけど、何か用なの?」
栞の顔が更に険しくなり、篠原さんを睨んでいた。
私もどうして手を振られてるのかがわからなくて、とりあえず校門を出てみる。
「こんにちは」
口元に綺麗な弧を描く笑みを作り、私と栞の近くまできた篠原さんが挨拶をする。
それに戸惑いながらも軽く頭を下げると、篠原さんはまた私達の周りを見回した。
「今日は、光君のお友達は?」
お友達……? それって大翔君のことかな。
考えこんでいると、隣にいた栞が篠原さんに質問する。