「まりや、あんた最高〜っ!
聞きたいことなんてありませんけどだって!!」
「だ、だって本当に何もないし……」
なんでこんなに栞に笑われてるのかわからなくて、戸惑っていると麻生先輩まで引きつり笑いをする。
「同じ子に2度も振られるなんて、本当にまりやちゃんは貴重な体験をさせてくれる存在だよ」
振るって、今の私の会話のどこにそんな意味が含まれていたんだろう?
「貴重な体験できてよかったじゃないですか、先輩。
じゃ、そういうことで3年の教室に戻って下さい」
「え!? ちょっとヒロ君!
何だか今日はオレに冷たくない!?」
嫌がる麻生先輩を教室から追い出すと、これ以上入ってくるなとばかりに扉を閉めてしまった。
「あ〜、ありゃ松っちゃんかなりストレス溜まってんね。
まりや、学校終わったらダンナを癒してやんなよ」
ニヤニヤ笑う栞にどうやって癒せばいいんだろうと、ひとり真剣に考える私だった。