「こんにちは。
光君のお友達ですよね?」
俺が校門を出るなり、近付いてきた篠原。
可愛らしく笑ってるつもりだろうけど、俺には嘘っぽい笑顔に見えて仕方ない。
「何か用?」
冷たい声で聞き返すと、またうっとしい人が顔を出す。
「ヒロ君。女の子にそんなに冷たい態度とっちゃ可哀想でしょ。
もっと優しく接してあげなきゃ」
麻生先輩、帰るんじゃなかったのかよ。
なんでこの人まで一緒にいるんだよ。
思わず溜め息をつきそうになるのを堪えて、俺のことをじっと見上げてくる篠原に視線を戻す。
「さすが光君のお友達ですね!
この間見た時も思ったけど、本当にカッコイイ!
彼女さんがとっても羨ましいな」
羨ましいと言いながら、目が笑ってない篠原。
あの時に見た、ちょっと違う雰囲気をまとった顔をまた覗かせた。
「そうだよね~。
ヒロ君はさ、うちの学校ではいちばん人気だから」
「え!? そうなんですか? すごぉーい!」
麻生先輩と篠原は、今日が初対面のはずなのに、何故か2人で盛り上がり始めた。
しかも俺の話題で。
何なんだマジで、この2人。