光と元カノの間に重々しい空気が流れて、俺達も口を挟める状況じゃない。
「勝手に会いに来たこと怒ってるよね。でも、光君とヨリ戻したいっていうのは本当なの!
あの時、あたしまだ子供でわがままで光君を傷付けちゃって……。
だから、ずっと謝りたかった」
「今さらそんなこと言われても、何とも思わないってこの間も言ったと思うけど。
オレに付きまとうのやめてくれないかな」
女には優しくしろっていつもうるさい光が突き放す言い方をして、彼女に背を向ける。
その瞬間、篠原が唇を悔しそうに噛みしめる姿がほんの一瞬だったけど、見えた気がした。
なんだ今の……。
気になって見ていると、篠原が近付いてきて、まりやの前で足を止める。
「あなた、光君とどういう関係なの?」
突然話を振られたまりやは、状況についていけてなくて返事を返すことができない。
「ちょ、まりやちゃんは関係ないだろ!」
「もしかして、光君の彼女?」
「えっ?」