まりやのいいところなんだけど。
「光の心配ばっかしてると、妬けるんだけど」
意地悪を言って、横からまりやの顔を覗くと、ほんのりと頬が赤く染まる。
「だって、大翔君の友達だから。
私も何か力になれないかなって思ってて」
「サンキュ。でも、たぶんもう大丈夫だから」
俺の言葉で安心したまりやは、部屋に戻っていった。
これで光の件は落ち着くと思っていた。
この時までは。
翌日の放課後、そいつは懲りずにまた現れた。
「松っちゃん心配してたのに、ヒカりんいつも通りじゃん」
「え? オレはいつだって元気だよ~。
皆さま聞いて下さい! 私、宮内光はたった今から女遊びをやめることをここに宣言しまっす!!」
今日は、光の奢りで学校帰りにケーキを食べて帰ろうということになり、俺とまりや、光と米倉の4人で校門に向かってる途中。
俺達の前で立ち止まり、光が大きな声で急に宣言しだした。