「あの、さ」
光が持ってきたお茶に手を伸ばした時。
言いにくそうに光が声を出した。
しばらく黙って待っていたけど、なかなかその続きを言い出さない光。
何を迷ってるのかわからないけど、こいつらしくない。
「何だよ。また女絡みか」
「そうなんだけど、今回はちょっと違うというか」
煮え切らない態度にハッキリしろって言いたくなるのをグッと堪えて、出かかった言葉を喉の奥に押し込む。
「あーっ!!」
突然デカい声を出して叫びだした光に、少し驚いた。
うるせぇ……。
「こんなのオレらしくない! よし、ハッキリ言う!」
ひとりで悩んでたかと思えば、急に解決して忙しい奴だと見ていると、光が姿勢を正し正座をすると、俺を真っ直ぐ見つめてきた。
「実は、ヨリ戻したいって言われたんだ」