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「ねぇ、琉依。壱瑳くんって彼女いるの?」
突然そんなことを聞いてきたのは、クラスでそこそこ仲の良い明桜(めいさ)ちゃんだ。
めっちゃ美人ってわけじゃないけど、いつもにこにこしているから話しやすくて、男子に人気の女の子。
「いない……と思うけど、なんで?」
「なんか最近男っぽくなったなーって思って。入学したての時はさ、影みたいに琉依にひっついてたけど。今はなんかボディーガード、みたいな? かっこよさが増した気がするのよー」
「んー、でも壱瑳、そんなに強くないよ。……なんかね、好きな人ができたっぽいからそのせいじゃない?」
「え! 誰」
「学校の子じゃないよ」
もっと言えば、子って言うほど幼くもない。
壱瑳の好きな人は、バイト先の宅配業者の事務員さんなんだもん。
話すのが苦手な壱瑳が選んだバイトは、大手宅配業の営業所の手伝いだった。
集荷されてきた荷物の仕分けとかがメイン業務で、基本裏で仕事できるのが気に入ったらしい。
それでもたまには持ち込みされた荷物に対しての受付業務もあるらしく、それを指導してくれるのが、その事務員さんだ。
壱瑳がバイトを始めてから、私は一度冷やかしで、荷物を出しに行った。
その時壱瑳は奥で荷物の出し入れをしていて、事務員さんが受け付けしてくれた。
ネームプレートには【朝月】という文字。
「ねぇ、琉依。壱瑳くんって彼女いるの?」
突然そんなことを聞いてきたのは、クラスでそこそこ仲の良い明桜(めいさ)ちゃんだ。
めっちゃ美人ってわけじゃないけど、いつもにこにこしているから話しやすくて、男子に人気の女の子。
「いない……と思うけど、なんで?」
「なんか最近男っぽくなったなーって思って。入学したての時はさ、影みたいに琉依にひっついてたけど。今はなんかボディーガード、みたいな? かっこよさが増した気がするのよー」
「んー、でも壱瑳、そんなに強くないよ。……なんかね、好きな人ができたっぽいからそのせいじゃない?」
「え! 誰」
「学校の子じゃないよ」
もっと言えば、子って言うほど幼くもない。
壱瑳の好きな人は、バイト先の宅配業者の事務員さんなんだもん。
話すのが苦手な壱瑳が選んだバイトは、大手宅配業の営業所の手伝いだった。
集荷されてきた荷物の仕分けとかがメイン業務で、基本裏で仕事できるのが気に入ったらしい。
それでもたまには持ち込みされた荷物に対しての受付業務もあるらしく、それを指導してくれるのが、その事務員さんだ。
壱瑳がバイトを始めてから、私は一度冷やかしで、荷物を出しに行った。
その時壱瑳は奥で荷物の出し入れをしていて、事務員さんが受け付けしてくれた。
ネームプレートには【朝月】という文字。